税政連は、隣接士業の制度改革や関連団体の事業、規制改革やTPP等の政策などに対して、日税連と連携して、動向を注視し、税理士制度に重大な影響を及ぼし納税者に不測の損害を与えることのないよう、積極的に対応しています。
業務対策
税政連は、税理士制度に抵触する恐れのある隣接士業の制度改革や関連団体の事業などに対して、日税連と連携して、積極的に対応しています。昭和56年、平成4年、平成10年と数次にわたり、全国社会保険労務士会連合会は、社会保険労務士法を改正し、税理士が税理士業務に付随して行う社会保険労務士の業務について撤廃を求めて運動を行いましたが、これを阻止し、従来どおり税理士業務に付随して行う社会保険労務士の業務はできることとしました。
その後も、業務の範囲をめぐって一部に混乱があったことから、日本税理士会連合会は、全国社会保険労務士会連合会と折衝し、平成14年、確認事項として協定を締結しました。
規制改革政策における資格制度への検討
規制改革会議等の政府の審議機関においては、かつて税理士をはじめとする資格のあり方が議論され、強制入会制や業務独占のあり方を見直すべきとの動きがありました。税政連と税理士会は、税理士制度が国民にとってなくてはならない重要な制度であることから、税理士会への強制入会制と無償独占制度を守るため、関係議員に税理士会の主張と税理士制度の重要性を訴えるなど対応しました。
登録・入会制の問題は、税理士制度の根幹に関わる問題であり、その見直しは到底容認できません。規制改革の議論においては、一歩対応を謝ると制度の崩壊にもつながりかねず、適切な対応が求められます。税政連は、今後も税理士制度に影響を与える規制改革の動向に対して迅速的確に対応しなければなりません。
社会保障・税番号制度(マイナンバー)への対応
社会保障・税番号制度(マイナンバー)については、税理士事務所や中小企業にも従業員の番号管理等の義務が大企業と同様に課せられます。日税連と税理士会は、この制度の円滑適正な運用に資するため、政府に協力し会員への周知と会員を通じての中小企業へのPRを進めています。同時に、納税者に過度の負担とならないよう、政府への提言を行っており、税政連は、連携してマイナンバー制度に積極的に対応しています。
TPP(環太平洋経済連携協定)等の外交政策への対応
TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉分野の一つには、かつて「越境サービス貿易」が含まれていました。今後も弁護士・公認会計士の資格が外国との条約等により相互承認された場合は。外国の弁護士・会計士による日本の税理士資格取得が認められる恐れがあることから、税政連と税理士会は、税理士制度に影響を与える政策に対しては情報収集に努め迅速的確に対応します。